厄年日誌

私のライフワークブログです。途中まで学生時代の記事です。

✕ 脱炭素社会→〇 CO2還元社会

化学工学系専門雑誌*1)から自分の理解の為に転記します(記事内容から少し表現変更)。

 人間を含む全ての生き物は炭素の塊です。よって、"脱炭素社会"や"脱炭素化"の文言は人間の自己否定となる為、これを科学の専門用語で表現すると「CO2を炭素のダイナミズムに戻すこと」、つまりCO2還元という文言になります。

 CO2を酸素(O2)に還元している植物の反応を参考に考えていきます。まず水分子を"光酸化"し、酸素分子(O2)1モルを生成し、同時に"ヒドリド"(H-)2モルを生成し、当該"ヒドリド"2モルがCO2を還元する(糖と水生成)。要は、水の光酸化の式が①より、②となります(②の後の反応は後日記載します)。

H- = H+ + 2e-                  ①

2H2O+4hν → O2+4e- + 4H+ → O2+2H- + 2H+  ②

上式①の"光子(hν)による電子エネルギー(e-)への変換"は、植物では葉緑素に仕組まれた触媒機能がなします。人工的には光触媒がなす事になります。この記事の筆者は"CO2還元メタノール化"に成功している*2)との事。原理は"ヒドリド"3モルによるCO2の還元(③)です。

3H- + CO2 + 3H+ → CH3-OH(メタノール) + H2O ③

 

*1)生産技術専門紙 化学装置 2021年4月号 p63

*2)Y. Matsushita, A. Murata, T. Murata, H. Tanibata, T. Suzuki, T. Ichimura, "Photosynthesis of High-Value Added Compounds in Microreaction System", Micro Total Analysis System 2007 2, 1462-1464(2007), 1