CO2と地球の歴史
下記の書籍*1)から自分が気になった事のメモとして、抜粋記載致します。
地球が出来た当時の大気はほぼCO2でした。しかし、光合成を行う生物の増加によって大気中のCO2濃度は大きく減少し、代わってO2濃度が増加しました(図 地球の歴史とCO2・O2の濃度変化) 。かつて大気中にあったCO2の多くは、現在、生物や土壌中に有機物として堆積しているのです。
今日の人間の経済活動も光合成に依存しています。石油や石炭などの化石燃料は、地球によって長い年月をかけて動植物の死骸から作り出されたものです(図 石油・石炭の作られ方)。つまり、例えば、化石燃料を使っている火力発電による電気エネルギーも、元をたどると光合成です。
人間による化石燃料の使用による大気中へのCO2の放出量が、産業革命以降、特にここ70年ほどの間で、急激に増加していることが問題となっています(図 各温室効果ガス濃度変動推移)。地中と大気中のCO2のバランスが崩れてしまった結果、環境問題やエネルギー問題が引き起こされてしまいました。
地球の歴史に匹敵するほど長い年月をかけ、太陽の光エネルギーと植物がもつ光触媒(クロロフィル)によって作られた有機物を、私たち人類は、特に産業革命以降、とても短時間で大量に消費してしまい、様々な問題を引き起こしています。しかし今度は、太陽の光エネルギーと、我々が作り出す別の”光触媒”を使う事で、それらの問題を解決しようともしています(図 光合成と人工光合成)。
*1)しくみ図解 光触媒が一番わかる 高島舞 大谷文章著 2019年第1刷 p10-16