続・タイヤ話
前回の続きです。
自動車には様々な部品が使われていますが、唯一タイヤだけが路面と接しています。
また、他の部品と異なり、タイヤは一つで多くの重要な役割を果たしています。
タイヤの4大機能
・車の重量を支える
・路面からの衝撃を和らげる
⇒タイヤと空気のバネの力(弾性)
・駆動力、制動力を伝える
・カーブを曲がる
⇒タイヤの摩擦力
これら4つの機能を支えるための製品や特徴を持ったタイヤについて紹介します。
(後半はパンクに内容は寄っていますが、この現象が起こると上の4つの役割は全く果たされなくなる(事故)と思い、そのようにしました)
まずは前回のタイヤの歴史の続きです。
1.1912年 ゴムの補強材としてカーボンブラック(炭)を使用された。
2.1948年 ミシュラン社(フランス)がラジアルタイヤを発表。
3.1953年 国産車チューブレスタイヤ第一号が日本ダンロップより発表され、話題を呼ぶ。
4.1973年 ランフラットタイヤDENOVOがイギリスで使用され始める。
この会社は社名の通りカーボン(炭素)に関する製品を研究・開発している会社で
説明会での話で製品の中にカーボンブラックがあり、タイヤに使われている事を初めて知りました。
以下引用
普通乗用車用のタイヤが黒いのには、理由があります。通常のゴムの色といえば、輪ゴムの色。なのにどうしてタイヤは黒色なのか。それには、カーボンブラックを天然ゴムや合成ゴムに練りこむとゴム製品を強くする(車重を支える)特徴があるからです。通常、タイヤ1本当り1/3程度のカーボンブラックが使われています。
という事です。この物質が、タイヤが黒い理由です。
(カーボンブラックは、油を窯で燃焼させて作っているそうです。)
2.ラジアルタイヤ
タイヤのカーカス(骨組み)に使用されるコードの並びが放射状(RADIAL)である事によってラジアルタイヤと呼ばれます。
ラジアルタイヤは、横から見るとカーカスがタイヤの中心から配置されています。現在、乗用車用タイヤはほとんどがラジアルタイヤとなっており、高速耐久性(支える&和らげる)やグリップ性能(曲がる)に優れています。
3.チューブレスタイヤ
タイヤの始まりは羊の腸をチューブとしたタイヤでしたが、最近の乗用車用タイヤはほとんどがチューブレスです。
チューブレスタイヤは、タイヤ内部にチューブの代わりになるインナーライナーという空気を通しにくいゴム層が貼り付けてあります。
メリットはパンクしても急激にエアーが抜けない、チューブがないのでチューブ自体のトラブルもない事です。
デメリットもあります。メリットの裏返しですが、パンクしていても気づきにくくなる事です(空気圧に注意してくださいね)。
もし仮にパンクしエアーがない状態で走行した場合、引きづるのでカーカスがコードが切れるかバラバラになってしまい
そのタイヤが完全に駄目になってしまいます。
4.ランフラットタイヤ
1999年の車両法改正で、次の条件を満たせば、自動車にはスペア―タイヤを搭載しなくても、走行できるようになりました。
①ランフラットタイヤを装着する事、②応急用パンク修理材を搭載している事のどちらかを満たしている事。
これは、通常タイヤはパンクすると形状がへなへなになってしまうのに対し、ランフラットタイヤはサイド補強層を設けてあるのでパンクしても走行可能だからです。
ただ、ランフラットタイヤは標準装着車以外の車に装着できないことと、ランフラットタイヤの交換・修理についてはカーメーカーの指示を受けることは注意してください。
次世代ランフラットタイヤ開発
⇒ダンロップでは、ミシュラン、グッドイヤー、ピレリーと共同で中子式のランフラットタイヤ(PAXシステム)を開発中だそうです。