厄年日誌

私のライフワークブログです。途中まで学生時代の記事です。

続々伝える力

 ”けしからん罪”の原因は、日本人の二つの気持ちから起因しています。

一つは「うらやましい」

これは、自分もそうなりたいという気持ちが背後にあって、

さらには「がんばろう」という姿勢にもつながるから、ある意味健全です。

問題はもう一つの反応。それは、「ずるい」です。

「なんだ、あいつばかり儲けて、いい思いをしてずるいじゃないか。」

そう思って、その人の足を引っ張ろうとします。

これは、言ってみれば嫉妬です。

「嫉妬社会」の側面を持つ日本では、たとえ全てがうまくいっていても、

それを声を大にして言うのは慎むのが賢明でしょう。

同じように、業績が秀でていたり、事業が成功したりしても、

愛される人と疎まれる人がいます。

この違いは、謙虚さの有無、あるいはその程度の差にあるように思います。

疎まれる人は「おれの才覚で、ここまで来たんだ。どうだ、すごいだろう。」

という雰囲気がそこかしこから漂う人です。

人間は社会的な動物。大成功を収めた背景には、多くの人々の協力があったはずです。

社会の一員である以上、「おかげさま」の精神は必要なのです。


 好感度を上げるには、陰口を言わないこともとても大切です。

一番望ましいのは悪口の類を一切言わないことですが、

人間だから腹が立つことも、不満を募らせることもある。

そこで、現実的な線引きとして、悪口をいう場合は、

面と向かって言えるレベルにとどめる。

そうすることで、人としての最低限の品位は保てるし、

人との信頼関係も築くことができるようになるはずです。


 上司や先輩の立場になると、部下や後輩を叱らなければならない場面が出てきます。

褒める時も、当然出てきます。

まずは叱る時。大原則は、一対一で叱ることです。

他の人がいるところで叱ると、叱られているほうは恥をかかされている意識が先に立ち、

注意している内容には意識が向かない可能性があります。

叱る際にもう一つ大切なのは「叱る前に褒める」ことです。

たとえば、次のケースを考えてみてください。

あなたが注意を受けている立場として、どんなふうに感じるでしょうか。

「キミは出社するのは一番早いし、仕事にはずいぶん意欲的に取り組んでいると思う。

でも、この間のY社への対応はいただけないな。あれでは、先方さんが気分を害するのも当然だ。

もっと丁寧な対応をすべきだったじゃないかな。」

評価もしてくれているし、頭ごなしに言われているのではないので、

素直に聞こうという気持ちになるのではないのでしょうか。

では、次の言われ方はどうでしょうか。

「キミ、この間のY社への対応はいただけないな。

あれでは、先方さんが気分を害するのは当然だ。もっと丁寧な対応をすべきだったな。

キミが朝早くに出社して、意欲的に頑張っているのを知っているだけに残念だ。」

反発したくなりますよね。

また、叱るときとは反対に、褒めるときはみんなの前でほめるのを原則とすべきでしょう。

当然、言われた本人はうれしいし、誇らしく思う。

それと同時に、周りにいる人たちも「よし、俺も頑張ろう」という心持になるでしょう。




第五章 文章の書き方を6月17日に書きます。

伝える力 (PHPビジネス新書)

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