厄年日誌

私のライフワークブログです。途中まで学生時代の記事です。

久々の”伝える力”

 池上彰さんの伝える力をずっと前に書いてから、そのままにしていたので、

続きを書きます(これを読んでくれた人がいるみたいなので)。

第五章 文章力をアップさせる

 <「もう一人の自分」を育てる

物事を人に伝える場合は、独りよがりにならないようにする。そのために「もう一人の自分」を持って、突っ込みましょう。

例えば、思いついたアイデアや企画を書き出してみたとしましょう。

その時、あなたが「なかなかいい出来じゃないか」と思ってしまったら、「もう一人の自分」がいるとは思えません。

書いたあなたも見直しているあなたもどっぷりとあなたのままです。

もう一人のあなたがいたら、その人はどう思うでしょうか。

「でも、これ、ほんとにおもしろいのかな」
「論理展開が一貫していないな」「文章が分かりにくい」
「誤字脱字がたくさんあるじゃないか」・・・

おいおい、改善の余地はまだまだあるぜ、というわけです。

話すときにも言えることで、例えば、会議で発表しているとき、

「反応がどうもいまひとつだな」と思う。そういたことに気がつくだけでも、「もう一人の自分」がいると言えそうですが、まだまだ不十分です。

「この状況は、言っていることがあまり伝わっていないんじゃないか。まずい、まずい。よし、じゃあ、別の方面から説明してみよう。」

ここまで思えて、さらに実行に移せてこそ、もう一人の自分がしっかりと突っ込みを入れていると言えるのです。



 皆さんはメールを送るとき、書いた後、見直しをしてから送っているでしょうか。

親しい友人の場合は思うままに書き連ね、そのまま送信しても構わないかもしれません。でも、取引先や顧客に送る場合は、それは危険です。

見直すことの効果については、多くの人が認識していることと思います。

今では、「書く」のはパソコン上ですから、画面で見直すことになります。しかし、見直す作業としては不十分で、まだ十分には「もう一人の自分」が育っていないのです。

そこで、プリントアウトして、印字した紙を読んでみる。

すると、単純な誤字を見つけやすくなります。

恐らくは画面上で読み返しているのはまだ「自分」であって、プリントアウトした用紙を読むことで初めて「読み手」すなわち第三者の視点に立てるからでしょう。

特に、重要な報告書や提案書などは、万全を期するために
・寝かしてから見直す
・音読する
・上司や先輩に読んでもらう
を池上さんはお勧めしています。



人に話しながら、書く内容を整理する

 書いた文章を見てもらうのではなく、書く前に先輩や同僚に話をしながら、

書くべき内容を整理するという方法もあります。

池上さんがNHKの社会部に在籍していたころ、ある先輩記者は取材に行って戻ってくると

「今日、取材先でこんなことがあってね」とか、

「例の問題、解決できるかもしれない。実はこうゆうことじゃないかな」

とか、周りの記者の人に話しかけていることがありました。

当時、池上さんは「そんな油なんか売ってないで、早く原稿を書けばいいのに」

と思ったそうです。

でも実は、その先輩はそう言いながら、周りの反応を観察し、

なおかつその日、取材したことを自分の頭の中で整理し、原稿をどうまとめようか考えていたそうです。


 ビジネスパーソンが報告書などを書く場合も、この方法は活用できるでしょう。

打ち合わせや視察から帰ってきて、報告書を書く前に、

同僚やアルバイトのスタッフなどに「これこれ、こうゆうことがあったんだ。」と話しかけてみる。

その際、相手はどこに興味を持ち、どこで退屈そうにするか、反応を見る。

自分では面白いと思っていたのに、周りはさほど興味を持たないこともあるでしょうし、

反対にそれほど面白くないことに興味を示す場合もあるでしょう。

こうしたやり取りをしているうちに、自分の頭も整理され、

何をどのように書けばよいのか見えてくることがあります。





明日、きっと最後の章を書きます。どうぞ観てください。